亜臨界水反応

亜臨界水反応

亜臨界水反応とは
水の温度・圧力を374℃、22Mpa(220 気圧)以上まで上げると、水(液体)でも水蒸気(気体)でもない状態となります。この点を水の臨界点といい、臨界点より上の領域を超臨界水と呼びます。この水による反応を超臨界水反応と呼びます。臨界点よりも低い近傍の領域を亜臨界水と呼びます。

画像の説明

亜臨界水反応は、高温高圧の水の性質を利用した反応で、亜臨界水反応により、有機物の分子、例えばでんぷんやたんぱく質は、それぞれブドウ糖やアミノ酸に分解され、低分子化されることにより、固形分が液状化されます。また、環境汚染物質を分解し、無害化できます。亜臨界水が有機物の溶解作用と強い加水分解作用を有する理由として、まず、通常の水の誘電率の値は80 程度であるのに対して、亜臨界水となると誘電率の値は20~30 程度となり、油を溶かすことに使われるメタノールに近くなるため、油を溶かす性質を持つようになることが上げられます。また、亜臨界水の温度領域である250℃程度のところでは、水が非常に大きなイオン積を持ち、水素イオンと水酸化物イオンに分離する割合が大きくなるため、強い分解力を持つことになります。超臨界水は亜臨界水より強い分解力をもつが、分解が進みすぎて、有機物は二酸化炭素まで分解されてしまい、有用な資源として取り出すことは出来ません。亜臨界水はより低温であるため、分解の程度が調度良く、資源化を行うのには適しています。
この亜臨界水技術の利点としては、
①温度と水を制御するだけで、反応を進めることができる。
②反応速度が速く、処理時間は15~60分程度で大量処理が可能。
③溶謀が水で環境負荷が小さく、後処理が容易である。
などがあげられます。
亜臨界水反応技術で処理できる有価物は、食品廃棄物、生ごみ、廃プラスチック、畜産排泄物、農業残渣、可燃性一般廃棄物、可燃性産業廃棄物、医療廃棄物等の有機性廃棄物全般におよび、それらの混合処理も可能です。それらの有価物を飽和水蒸気による亜臨界水反応で有機物や環境ホルモン等の有害化学物を分解・無害化します。亜臨界水処理によりセルロースやリグニンはグルコースやオリゴ糖類に、タンパク質系は各種アミノ酸類に分解されます。都市ごみの中には、プラスチック類が混合されておりますが、MRM®に入れますと亜臨界水反応によりプラスチック類は加水分解し、破壊され二酸化炭素と水【液体】になり減容化される。また重金属類は結晶化が可能です。亜臨界水処理された製品は生物に吸収されやすくメタン発酵等の効率を高めることができます。また飼料や肥料として使うことが出来ます。有機物固体を微粒子にし、微細孔を形成するため乾燥が速く、炭化技術としても使え応用範囲が広範囲です。

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